こんにちは。
2021年よりICPを追っかけているえいきち(@Eikichi_WLI)です。
ICPはInternet Computer Protocolの略で、2021年5月にローンチされた、世界初の無制限容量&世界最速のWebスピードで動作するレイヤー1パブリックブロックチェーンです。
この記事では、仮想通貨ICPの入り口として、基本情報、プロジェクト概要、技術的側面、将来性や展望について解説します。
仮想通貨ICPの基本情報
ICPの概要について
ICPは2つの目的があります。
✓ブロックチェーンの特異点を創造する
✓従来のインターネットを拡張し、強力なものにする
つまり、ICPとは、ブロックチェーンの技術的特異点として従来のインターネットを拡張し、より強力で自由なインターネットを作り上げることを目的としています。
これにより、AWSやGoogle Cloudなど従来のサーバーやクラウドサービスに頼らなくても良くなり、分散型クラウドとしての機能を保有しつつ、分散型で自律的なインターネットの開発を行っています。
ざっくり言えばAWSやGoogle Cloudが競合です。
【開発組織】DFINITY Foundationについて
ICPは、非営利組織であるDFINITY Foundation(デフィニティ財団)によって開発されています。
DFINITY財団はスイスに本部を置く非営利団体。
チューリッヒ、パロアルト、サンフランシスコ、東京に研究開発センターを持っているなど、既に全世界に約200もの組織を保有しています。
ICPは一流の暗号学者や分散システム、プログラミング言語の専門家による5年間の研究開発の集大成であり、DFINITYは現在、約10万件の学術引用と200件の特許を取得しているようです(参考記事)。
とてつもない天才集団ですね。
【創業者】Dominic Williams について
創業者はDominic Williamsで、暗号資産の理論化であり起業家。
以前は、独自の分散システムを使用したMMOゲーム(複数プレイヤー参加型オンラインRPG)を運営して、数百万人のユーザーを抱えていたようです。
起業家としても既に超一流ですね。
【投資家】Andreessen Horowitzからの資金調達について
アメリカ大手の一流投資家集団であるAndreessen Horowitz (a16z) らから、約160億円の資金調達を受けています。
a16zを初めて知った方のために補足すると、今までの主要な投資先にはMeta(旧Facebook)、Airbnbなどがあり、将来を見据える力は抜群。
a16zは暗号資産業界に特化したファンドを持っていて、「コンピューティングの次の技術革新の波は暗号資産が牽引すると確信している」と発言するなど、暗号資産業界を推し進める存在としても有名です。
ICPの特徴を紹介
ここからはICPの特徴について、少し技術についても触れながら詳しく見ていきましょう。
上で書いたように、ICPはインターネットの拡張という目的のため、高速でセキュリティの高いインターネットを実現します。
これには ICP独自の Chain Key 技術 が使われていることが大きく関与しているですが、難しくてよくワカラナイ。
そこで、この技術で何が実現出来るかという視点で産学研究PJ”C3F”から使用許可頂いた素材を活用しつつ紹介します。
【従来のクラウドサービス不要】無制限容量の提供&フルオンチェーン
インターネットコンピューターでは、キャニスターと呼ばれるスマートコントラクトへコードとデータをホストすることができ、これによりオンチェーンへの保存容量を無制限化しています。
無限の容量提供によって、レイヤー1ブロックチェーンのスケーラビリティ問題を解消するとともに、フルオンチェーンのdappsを開発できるため、AWSやGoogleクラウドの中央集権的なサービスは不要となります。
ブロックチェーンを使用した取引が増大して、取引の遅延やガス代の高騰を招く問題
一方、Ethereumではスケーラビリティ問題を解消できておらず、ノードの約70%がAWSやGoogleクラウドのような中央集権的なサービスを利用しています。
ICP:全てオンチェーン
Ethereum:一部オンチェーン + 中央集権型のクラウドなど
【高い堅牢性・改ざん耐性】核攻撃にも耐えられ止まらない
キャニスターはスマートコントラクトなので、他のブロックチェーンと同様に止められない、改ざんできない特徴を持っています。
分散していますので、世界中で同時にインターネットが遮断されるようなことが起こらない限り、止まりませんし、意図的に止められません。
つまりは、サーバーダウンによる機会損失を解決できる仕組みになっているように思います。
【ガス代無料】リバースガスモデルでトークンを保有せず利用できる
キャニスターの無制限容量などの特徴によって、キャニスターはウェブコンテンツをユーザーへ直接提供できるようになります。
また、ICPはリバースガスモデルのため、ユーザーはイーサリアムのガス代のようなトークンを一切保有することなく、ブロックチェーンサービスを利用することができます。
イーサリアムでガス代(手数料)がかかることについてどう思いますか?
正直、僕は数百円でも手数料をかけたくありません。
一般庶民に広がっていくためには、ガス代を支払うことそのものが厳しいように思います。
その点、ICPではリバースガスモデルのため、従来のインターネットユーザーが今のインターネットを使用する延長線上で、インターネットコンピューターを気づかないうちに利用する未来がくるかもしれません。
web3の基盤として様々なdapps開発に向いている
ICPの場合、開発者はシステムやサービス全体をチェーン上に構築でき、スマートコントラクトから新しいシステムやサービスを作れます。
DAOのように中央がシステムでトークン化されたソーシャルメディアサービスなど、トークン経済性のある分散型dAppsを作れます。
すでにICPには分散型SNSが数多く開発されており、例えば Distrikt、OpenChat、DSCVRなどの開発が注目され、一部dappsではVCから資金調達も実施されています。
ICPの将来性・展望・投資ポテンシャル
ここからは、ICPの将来性・展望・投資ポテンシャルについて、ICPで今後発生しうる(既に発生している)事件をピックアップしながら詳しく見ていきます。
あくまで個人の意見としてどうぞです。
BitcoinやEthereumのレイヤー2としての存在意義を発揮するかも
まず、注目すべきはICPがBitcoinやEthereumを直接統合をし、ビットコインのレイヤー2であり、イーサリアムのレイヤー2としての能力を保有することです。
すでに、ICPはビットコインと直接統合を果たしました。
イーサリアムとの直接統合も2023年中には達成できる見込みです。
BTCは暗号資産業界全体の時価総額の半分を占めているほど圧倒的に信頼されていますので、投資家は売らずに運用したいはず。
しかし、今までBTCをDeFiで運用するためには、WBTC(Ethereumブロックチェーンで使用できる、BitGoが発効するトークン)に変換するなど、仲介者に依存したクロスチェーンブリッジが必要でした。
クロスチェーンブリッジにはハッキングが多発しており、セキュリティ面に課題があります。
ここで、ICPのBitcoinやEthereumとの直接統合です。
独自のChain Key技術によって直接統合を可能とし、ICPはビットコインやイーサイアムのレイヤー2として機能し始めます。
新しすぎる技術という点でChain Key技術の信頼性には不安材料もありますが、クロスチェーンではなく、直接的に統合を可能とすることで、クロスチェーンのようなハッキング事例を起こさないほどの高セキュリティになるかもしれません。
ビットコインもイーサリアムもより安全な形で直接統合できたとすると、業界にとってインパクトのある事件となるのは間違い無いのではと推測しています(希望的観測)。
dappsの普及に大きく貢献するかも
近年、dAppsの需要が急速に増加しており、それに伴いインターネットコンピュータの重要性も高まっています。
ICPのプラットフォームはオンチェーン容量が無制限化できる仕組みであるため、セキュリティとスケーラビリティに優れており、将来的にはさらに多くの開発者や企業がICPを利用することが予想されます。
例えば、イーサリアムは分散性が優れているため、DeFi dapps の基盤として適しているチェーンだとすると、インターネットコンピューターは DeFiに限らず様々な種類のdapps の基盤として優れているようにも思います。
今後、例えば2022年に流行ったSTEPN(歩いて稼ぐアプリ)のように、ICで生まれたアプリケーションが大流行すれば、一気にICPが世の中に広まっていくことも考えられます。(また希望的観測)
DAOの基盤として役立つかも
前提として、DAOは株式会社にとって変わるような存在であることから、人々の働き方を大きく変えるポテンシャルを持つDAOはweb3の最終形のように思います。
そのDAOにICPは大きく貢献する可能性があります。
ICPにはNetwork Nervous Systemという、中央が分散化したガバナンス投票システムが採用されていて、分散性が低い点で中央集権的ではあるものの、将来的にコミュニティが投票によって行う仕組みを基盤として保有しています。
dappsはこの仕組みを活用してトークンを発行することもできるようになるため、ICPには中央が自動化されたDAOを創造しやすい基盤として活用されるのでは、と期待しています。
シード投資家の売り圧が解消されてトークン価格が上がるかも
ICP価格はローンチされて以降、シード投資家の売り圧が原因となり価格が下がり続けています。
初期のトークン価格の暴落には、トークン設計と投資家への初期分配の割合が影響しています。
それ以外にも価格が下がる原因はあるものの、シード投資家の売り圧の要因のインパクトが大きいため、この原因と影響度合いから今後は上がる可能性もありそうだと想像しています。
この原因について纏めた記事リンクを貼っておきます。
とここまで良さそうなことを並べましたが、市場、技術面、競合他社など、沢山のリスク要因が存在しますので、確かなことは言えませんし、あなたにオススメはしませんw
なんと言っても、トークン価格は低空飛行を続けていますので、ご自身の判断で投資をお願いします。
さいごにICPの魅力が詰まった動画を紹介
最後に、ここまで共有したことがキレイにまとまっている、ICPの魅力が詰まった動画を1つ紹介します。
ICPは急速に開発が進められているものの、まだまだ黎明期で発展途上です。
僕はICPのコミュニティ 86DAOでモデレーターをしております。ICPに興味があればTwitterなどでなんでも聞いてもらえればと思います。
DAOには詳しい方が沢山いますので、よく詳しい人へお繋ぎする役目なら任せてくださいw
素材使用の許可いただきました産学研究PJのC3Fでは、web3開発PoCの開発者を募集しています。興味があれば御覧ください😄
✓Create a “blockchain singularity”
✓Extend the internet and make it more powerful