こんにちは。たつのこです。
ビットコインに次ぐ時価総額を誇るイーサリアムが2022年に大きなアップデートを経て、より注目を集めているのが「ステーキング」というと投資方法です。
でも、「ステーキングって難しそう」「リスクが心配」「ステーキングって何」といった疑問をお持ちでは無いでしょうか?
イーサリアムステーキングは、保有するイーサリアムをネットワークに預け入れることで、その安全性を維持しながら報酬を得られる仕組みです。
資産を眠らせておくことなく、銀行預金よりも高い利率で資産を増やせる可能性を秘めています。
そこで、この完全ガイドでは、イーサリアムステーキングの全てを網羅的に解説します。
基本的な仕組みから始め方、具体的なプロトコル比較、そして上級者向けの戦略である、「リステーキング」「DeFiプール活用」など。
豊富な例えを交えながら、ステーキングに興味がある初心者には何度も読んでもらえるようなガイドとして作成していますので、ブックマークいただけると嬉しいです。
それでは、イーサリアムステーキングの世界を見ていきましょう!
目次
イーサリアムステーキング基礎: 報酬を得る仕組みを理解する
ステーキングとは?銀行預金との比較でイメージしよう!
「ステーキング」とは、保有する暗号資産をネットワークに預け入れることで、そのネットワークのセキュリティや運用に貢献し、その対価として報酬を得る仕組みです。
イメージとしては、銀行に預金して利息を得る仕組みに似ています。ただし、銀行預金との違いは、預け入れる相手が銀行ではなく、ブロックチェーンネットワークであるという点です。
銀行預金 | ステーキング | |
---|---|---|
預け入れる相手 | 銀行 | ブロックチェーンネットワーク |
報酬 | 利息 | ステーキング報酬 |
リスク | 銀行の破綻 | スラッシング、価格変動 |
イーサリアムステーキングの仕組み: PoSとバリデータ
イーサリアムは、2022年9月に「プルーフ・オブ・ステーク (PoS)」と呼ばれる仕組みに移行しました。PoSでは、ネットワークの検証を行う「バリデータ」と呼ばれる役割を担うことで報酬を得ます。
バリデータになるには 32 ETHをステーキングする必要があります。
これは、ネットワークを守るための「担保」のようなもの。もしバリデータが不正行為を行おうとすると、ステーキングしたETHが没収されるため、セキュリティが保たれます。

32ETHとは1,500万円以上(2024年6月)です。不正行為で没収が辛いので、不正がされない仕組みになっています。
ステーキング報酬がどこから生まれているのか!?
ステーキング報酬は、主にイーサリアム上で発生する「ガス代(取引手数料)」から支払われます。
例えば、あなたがお店で買い物をすると、商品の代金とは別に消費税を支払いますよね?
イーサリアムネットワーク上での取引でも、送金等の実行に際して手数料が発生します。
世界中でイーサリアムのネットワークが使用されますので、この手数料の一部が、ステーキング報酬としてバリデータに分配される仕組みになっているんです。
イーサリアムネットワーク上で発生する取引手数料のこと
メリット・デメリットを比較してみよう
イーサリアムステーキングは、保有するETHを増やす魅力的な投資方法ですが、メリットだけでなくデメリットも存在します。
- 保有ETHを増やす: ステーキング報酬によって、保有するETHを増やすことができます。年利は変動しますが、3%〜6%程度が一般的。
- ネットワーク貢献: イーサリアムネットワークのセキュリティ強化に貢献できます。
- 比較的安全: 日本の取引所が提供しているステーキングサービスもあり、他のDeFi投資と比較して、比較的安全性の高い投資と言えます。
- スラッシングリスク: バリデータが不正行為をしたりすると、ステーキングされたETHの一部が没収されるリスクがあります。実績のある安全なサービスを選びましょう
- 利回り変動: ステーキング報酬は、ネットワークの取引量によって変動するため、常に一定の収入を得られるとは限りません。
イーサリアムのステーキング方法3つの選択肢を解説
イーサリアムのステーキングには大きく3つの選択肢があります。
国内取引所 ステーキング | リキッド ステーキング | ソロ ステーキング | |
---|---|---|---|
概要 | 指定の国内取引所に イーサ(ETH)を預ける | 分散型取引所に イーサ(ETH)を預ける | バリデータノードを 運用して32 ETHを預ける |
必要ETH | 少額から可能 | 少額から可能 | 32ETH(約1500万円)〜 |
想定年利 | 2~4%程度 | 3~5%程度 | 4,5%程度 |
技術知識 | 不要 | 中程度 | 高度 |
メリット | 手軽に開始できる、 少額から可能 | 国内取引所より 報酬が高い、 DeFi運用に最適 | 報酬を100%受取、 手数料不要 |
デメリット | 手数料発生、 取引所のセキュリティ リスク | 手数料発生、 プロトコルリスク | 高度な技術力必要、 24時間365日稼働 |
おすすめな人 | 初心者 | 中級者 | 上級者、 技術知識が豊富な人 |
国内取引所のステーキング:初心者でも安心
最も簡単なやり方は、国内取引所でのステーキングです。
SBI VCトレードとBIT Poingはイーサリアムのステーキングサービスを提供しています。
安全な環境で、簡単に仮想通貨で複利収入を得たい方におすすめ。信頼できるサポートと安全な環境でステーキングを行いたい方に最適な方法になっています。
更に、出金・入金などの各手数料も無料でお値打ちな価格設定なのも魅力的なポイント。
「気付いたら結構手数料を取られていた」というようなことが起こりませんので、ステーキング初心者でも安心して利用できます。

両方ともSVIグループの安心感も魅力です!
リキッドステーキング:中級者向け
「リキッドステーキング」は、ステーキングされたETHをステーキングサービスに自ら預け入れ、他のDeFiサービスで利用できるようにする仕組みです。
ステーキング期間中でもETHを取引したり、担保として利用したりすることができます。
リキッドステーキングのオススメ先は後ろで紹介します。
ソロステーキング:超上級者向け
「ソロステーキング」とは、自らバリデータノードを運用し、32 ETHをステーキングする方法です。
技術的な知識や経験が必要となるため、初心者にはお勧めできません。
まず、1500万円必要ですし、サーバー管理やネットワーク設定など、専門的な知識も必要です。
よほどの上級者で無いとソロステーキングは難しいでしょう。
リキッドステーキング徹底比較
ある程度仮想通貨投資を始めて、ウォレットと呼ばれる自分で管理する仮想通貨専用のお財布を活用できるようになった方は、リキッドステーキングでより高い年利を狙ってステーキングをするのもよいでしょう。
ここでは、2024年6月時点で世界TOP3(DeFi Llama調べ)のリキッドステーキングプロバイダーであるLido、Rocket Pool、Wrapped Beacon ETHの特徴を比較し、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。
Lido | Rocet Pool | Wrapped Beacon ETH | |
---|---|---|---|
トータル ロック量 世界ランキング | 1位 | 2位 | 3位 |
ETHを預けると もらえるトークン | stETH | rETH | WBETH |
特徴 | DeFiとの相性抜群 | レイヤー2運用重視 | バイナンスユーザー限定 |
メリット | ・高い信頼性 ・豊富な流動性 ・DeFiとの連携 | ・利便性 ・レイヤー2との相性 | ・手軽さ ・バイナンスエコシステム |
デメリット | ・集中化リスク | ・流動性が低い | ・限定的な利用 ・日本居住者は使えない |
Lido (stETH): 最大手プロトコル、DeFiとの相性抜群
Lidoは、イーサリアムステーキング市場で世界1位を誇るプロトコルです。
また、stETHは多くのDeFiプロトコルで利用されているため、流動性が高く、DeFiユーザーに最適な選択肢と言えます。
流動性が高いと取引が頻繁に行われていることを示します。流動性が高いと、取引のしやすさ、つまり、買いたいときに買えて、売りたいときに売れます。
Rocket Pool (rETH): レイヤー2運用重視のあなたへ
Rocket Poolは、分散型自律組織(DAO)によって運営されているリキッドステーキングプロトコルです。
Rocket Poolは、rETHは保有しているとETHと比較して価値が上がっていくという仕組みが特徴です。
そのため、公式サイトでステーキングする必要も無く、ガス代が安いレイヤー2でrETHを取得、保有しておくことでDeFi利回りを狙えます。
イーサリアムのスケーラビリティ問題 (取引処理速度の限界) を解決するために開発された、セカンドレイヤーのブロックチェーンのこと
Wrapped Beacon ETH:海外バイナンスユーザーの選択肢
WBETHは、Binanceが提供するリキッドステーキングトークンです。
ただ、残念ながら日本版バイナンスでは手に入れることができません。
しかし、海外Binanceユーザーであれば、WBETHを簡単に購入・売却することができるので、近い将来に日本でも規制対応されて使えるようになるかもしれません。
Lido×レイヤー2の選択肢:手数料削減だけど手順は複雑
rETHがレイヤー2と相性が良いとお伝えしましたが、Lidoも手間はかかるもののレイヤー2での運用は可能です。
手順が複雑でリスクが増えますので、上級者向けになりますが概要を解説します。
レイヤー2とは?イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決
あらためて、レイヤー2は、イーサリアムのスケーラビリティ問題 (取引処理速度の限界) を解決するために開発された、セカンドレイヤーのブロックチェーンです。
イーサリアムに接続することで、セキュリティと分散性を維持しながら、より高速で低コストな取引を実現します。

イメージは、イーサリアムブロックチェーンの上に乗っかっているイメージです。
レイヤー2ステーキングのメリット: ガス代が安い
レイヤー2のメリットは、2024年現在イーサリアムより圧倒的にガス代が安い点。
ガス代が安い
レイヤー2が数円〜数十円だとすると、イーサリアムでは数百円〜1,2千円のイメージ。
ある程度の運用資金が無いとイーサリアムチェーンでは年利がガス代に負けてしまいます。
そのため、ガス代を抑えて効率的な運用で利回りを狙うために、イーサリアムレイヤー2の利用者は年々増えています。

2024年6月時点で、世界中で400億ドル以上の資金がレイヤー2で運用されているんです!
レイヤー2のデメリット:結局ガス代が発生&スラッシング
デメリットとしては、以下の2点。
- レイヤー2との行き来でガス代が発生
- ステーキングされたETHの一部が没収されるリスク
イーサリアムとレイヤー2ネットワークを行き来する際に1度だけ高いガス代が発生してしまいます。
そのため、できる限りガス代の手数料を発生させないルートで、レイヤー2ネットワークにたどり着くのが大切です。
また、ステーキングされたETHの一部が没収されるスラッシングリスクも存在します。
LiDoのstETH→wstETHに変換してレイヤー2で運用
ここでは、レイヤー2ネットワークの1つであるArbitrumを例に、レイヤー2での運用手順を説明します。詳しくは公式サイトをご覧ください。
複雑なのは、レイヤー2でETHを預けてステーキングするのではありません。
LiDoでETHを預けると預り証としてstETHをもらえるのですが、このstETHを活用してレイヤー2で運用が出来るんです!
LidoにてステークしたstETHをwstETHへラップする。
ArbitrumネットワークにwstETHをブリッジする
Arbitrum対応のウォレットにwstETHを送金する
Arbitrum対応のステーキングプラットフォームでwstETHをDeFiにて使用する
使用するトークンやレイヤー2チェーンのプロトコルが増えますので、トークンとプロトコルリスクも増加します。

まずは最もシンプルなリキッドステーキングから試してみてはどうでしょうか。
リステーキングで利回りUP: ステーキングしたETHの有効活用
Lidoで預けたstETHを運用する方法として、リステーキング(Re-staking)と呼ばれる方法も生まれて来ています。
これは、ステーキングされたETH のトークン を、リステーキングプロトコルに再ステーキングすることで、追加の報酬を得る仕組みです。
EigenLayer でリステーキングを実現
EigenLayerは、リステーキングを実現するためのインフラストラクチャを提供するプロトコルです。
EigenLayerを使用することで、ステーキングされたETHを再ステーキングすることで、さらに追加の利回りを得られる仕組みができました。
リステーキングは、上で紹介しました stETH、rETH、WBETHなどの様々なステーキングされたETHを利用可能です。
Ether.Fiでリキッドリステーキング
Ether.FiはEigen Layerのリステーキングの仕組みを活用して、ステーキングおよびリステーキングができるプロトコルです。
2024年6月世界第5位の取引量を誇るプロトコルへ実力に急成長してきています。
ユーザーは、EigenLayerのようなリキッドリステーキングを行う必要無く、Ether.FiでETHをステーキング開始し、リステークされたETHを受け取ることができる仕組みになっています。
一方で、裏側でEigenLayerが活用されますので、Eigen Layerのプロトコルリスクも含まれる運用方法にはなってしまいます。
DeFiでの流動性提供で利益最大化に挑戦
最後にステーキングからもう一歩踏み込みます。
DeFiでの流動性提供もステーキングに関わりますので、こちらも解説したいと思います。
DeFi(Decentralized Finance):分散型金融。スマートコントラクトで作られた、無人でプログラムのみで動く銀行取引のこと。
DeFiでの流動性提供とは
DeFiでは、分散型取引所と呼ばれるスマートコントラクトで動く銀行に、ユーザーが暗号資産を預けて、流動性を提供することで取引手数料の形で収益を得ることが可能です。
ユーザーが暗号資産を分散型取引所に預けて、他の利用者のトークン交換で活用してもらうこと
具体的には、Uniswap などの分散型取引所でユーザーは暗号資産を2つのペアで預けることができます。
- 流動性を提供するユーザー:USDC-USDCのペアをプールに提供しておく。
- トークンを交換したいユーザー:USDTとUSDCを交換する。同時に手数料を支払う。
- 流動性を提供するユーザー:交換の際の手数料を受け取る。同じように交換したい人が多いほど、自動的に報酬が蓄積される。
このように、取引が行われる度に、取引手数料の一部を「流動性を提供しているユーザー」がもらえる仕組みになっているのです!
変動損失(Impermanent Loss)とは
変動損失(Impermanent Loss)は、DeFiプールに預けた資産の市場価格変動によって発生する予期せぬ損失です。
基本的には取引手数料で儲かる仕組みになっているのですが、一方で預けたトークンの市場価値が変動することで変動損失が発生する可能性があります。
たとえば、ETHとUSDCをペアで流動性を提供するとします。
このとき、ETHとUSDCが同じ金額になるようにペアを預け入れる仕組みになっています。
しかし、仮想通貨のためETHの価値が上下する可能性がありますよね。
仮に、ETHの価格が上昇すると、元々のETHーUSDCのペアのバランスが変化します。
すると、流動性プールから引き出す際に、預け入れた当時のバランスと異なることで、予想外の損失が発生する可能性があるのです。
インパーマネントロスは計算式によって損失%を求めることができ、次の表のとおりに損失が発生します。
価格変動 | 変動損失(%) |
---|---|
1.25倍 | 0.6% |
1.5倍 | 2.0% |
1.75倍 | 3.8% |
2倍 | 5.7% |
3倍 | 13.4% |
4倍 | 20.0% |
5倍 | 25.5% |
例えば、ETH-USDCのペアの場合に、ETHが1.25倍になったら変動損失が0.6%発生します。1.25倍の利益だったはずが0.6%分減るということです。
逆に言えば、インパーマネントロスを回避するためには、いかに価格バランスがズレないペアで流動性を提供するかが大事になってきます。
自動化ツール Beefy Financeを活用する
「結局、インパーマネントロスってよくわからない。」
そういう方のために、DeFiプールへの投資家を自動化して最適化してくれるアグリゲーターと呼ばれるサービスが存在します。
代表的なサービスは、Beefy Financeです。
このサービスを使用することで、色んなトークンの運用を考えることなく、手間をかけずに効率的な投資戦略を展開できます。
手数料は取られてしまいますが、自分のミスによって損失してしまうリスクを低減することが可能になります。
Cegaで高い利回りとリスク管理をしながらstETHを活用する
Cegaプロトコルは、仮想通貨投資において高い利回りとリスク管理を両立するための強力なサービスです。
エキゾチックオプションと呼ばれる、通常のオプションよりも複雑な金融商品を利用することで、リスク管理をしながら高い利回りを実現できます。
特に、下落相場におけるステーブルコインやstETHの活用は、投資家にとって高い利回りと安心感を提供します。
リキッドステーキングプロトコル Lidoと連携した商品もあり、例えば「stETH Elephant」ではstETH を活用して、年利30%以上の安定したリターンを狙えるなど、DeFi界隈で損失を避けながらかなりの高利回りを狙うことができます。
Ledger Nano Sを使って安全にリキッドステーキングをする
仮想通貨のお財布である、ウォレットには、ソフトウェアウォレットとハードウェアウォレットの2種類あります。
そして、Ledger Nano Sのようなハードウェアウォレットを活用すれば、最も安全にリキッドステーキングを行うことが可能です。
日本の仮想通貨取引所レベルのセキュリティを活用できるので、ある程度の資産を入れる方は購入しておいて損はありませんし、使い勝手も便利なウォレットになっています。
日本の取引所でETHを購入する
Ledger Liveという専用アプリで ETH をLedger Nano Sへ送る
アプリで「報酬獲得」→「ステーキング」をタップして、ETHをステーキングする

以下のリンクから購入いただいた方限定で、10$相当のビットコインがプレゼントされます!
中古には偽物がありますので、必ず公式サイトから本物を購入しましょう。
まとめ
イーサリアムステーキングは、まだ発展途上の技術ですが、その広がり、そして将来性は非常に明るいと言えるのではないでしょうか。
分析サイトDune によると、イーサリアムでは、市場への供給量のうち約3割がステーキングされています。
銀行で定期預金をするかのように、イーサリアムにとってステーキングはそれだけ当たり前の選択肢だと言うことです。
今後、より多くのユーザーがイーサリアムステーキングに参加することで、イーサリアムネットワークのセキュリティと分散化がさらに強化されることが期待されます。
この完全攻略ガイドが、あなたのイーサリアムステーキングの助けになれば嬉しいです。
あわせて、以下の記事では、「ステーブルコインの価格安定性と、DeFiの革新的な金融サービスを掛け合わせることで、リスクを抑えつつ高い利回りを狙う戦略」も解説しています。
ブロックチェーンの参加者が規則違反や不正行為を行った場合に、その参加者のステークした資産(預けた仮想通貨の一部)を没収する仕組みのこと。